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施政方針夢を繋ごう次世代へはじめに時代に息吹く地域...沖縄県多良間村2017/07/06

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施政方針~夢を繋ごう!次世代へ~
はじめに・・時代に息吹く地域づくり
本日、平成29年第1回多良間村定例会の開会に当たり、平成29年度の予算
案をはじめとする諸議案をお願いするに当たり、私の新年度の村政運営に臨む所
信を申し述べさせていただき、議員各位並びに村民の皆様のご理解とご協力を賜
りたいと存…

…りたいと存じます。
さて、国の一般会計の総額は前年度当初比0.8%増の97兆4547億円と
し、高齢化に伴い年金や医療費など社会保障費が膨らみ、税収の伸び悩みで地方
交付税が増えたことなどから、過去最大を更新しました。
一方、沖縄県は平成29年度の一般会計当初予算案を平成28年度比187億
円(2.5%)減の7354億円に決定しまた。沖縄振興一括交付金など国庫支
出金の減額が影響し、9年ぶりに減ったが7千億円台は4年連続で確保しました。
本年は、村民の皆様のご支持を頂き、私が村政を担当させてから任期満了の年
を迎えることとなりました。就任してから無我夢中で全速力で走って参りました。
このように濃密な時間を過ごせたのも、村民の皆様をはじめ議員各位、国・県・
関係機関のご指導とご協力の賜と深く感謝申し上げます。
その間、新製糖工場や土地改良などの大型事業の導入、給食費無料化・村営塾
の開設・全教室クーラー設置などの教育環境の整備、保育所・幼稚園児保育料無
料化・預かり保育の開設、
・高校卒業までの医療費無料化などの子育て支援、定住
促進住宅・各種定住促進奨励金の拡充・奨学金返済不要制度の創設などの過疎化
対策、妊婦健診・宿泊費・渡航費の助成拡大、難病患者費用助成制度の実施、医
療・福祉における助成を多くするなど、ハード面、ソフト面においてきめ細かい
事業を展開して参りました。その他にも百周年記念誌発刊やたらぴん制作など数
多くの事業展開により、多良間村の活性化が大きく図られ、着実に前進しており
ます。
しかしながら、水あり農業の実現、灌漑排水事業の推進、集落排水事業の推進、
産業の振興などのハード事業。子育て、教育環境の整備・拡充、医療、福祉、雇
用の創出、住宅の提供など定住環境の整備・拡充などのソフト事業など、多良間
村におきましては多くの課題を抱えています。
多良間村を元気な村にしたい、という思いから村長をさせていただきました。
村勢は一歩一歩前進しておりますが、高齢化の波は打ち寄せ、全国的な人口減少
社会が加速化し、深刻さを増しております。このような現状が共有され、多良間
を変えていこうという思いが、村内あるいは役場内で少しずつではあるが、広が1 りはじめていると、私は感じています。「現場を歩くこと」「村民の声が届きやす
い仕組みをつくること」
「職員とのコミュニケーションを大事にすること」を心が
けてきました。様々な課題をいたずらに悲観するのではなく、人口減少の現実を
受け止めながら我々にしかできない「時代に息吹く村づくり」が必要であります。
今後とも、すべての村民が将来にわたり夢と希望をもち、ともに助け合いながら、
元気で幸せに暮らし続けることができる「村民起点のガンジュー元気村」実現に
向け、村民の皆様・議員各位・役場職員ともども一丸となって、全力で村政運営
に取り組んで参りますので、議員各位・村民の皆様のご理解・ご協力を賜ります
ようお願い申し上げます。
それでは、平成29年度の主要な施策と事業概要についてご説明申し上げます。
一つ目に産業の振興についてであります。
農業の抱える問題は今後ますます大きくなってくるのが予想されます。特に、
担い手不足、高齢化、米国トランプ大統領誕生による二国間交渉への強い懸念。
トランプ大統領が環太平洋連携協定(TPP)離脱の一方で、二国間交渉による貿
易不均衡是正路線を打ち出しているためであります。TPP で合意した以上の農業
関係品目の大幅関税引き上げを迫られるのではないかと懸念が広がっています。
米国の求めに応じた二国間交渉の土俵に引き込まれないよう望むところでありま
す。
本村においては、農業が基幹産業で農業の発展なくして多良間村の発展はない
と考えております。その柱となるのがさとうきび作であり、さとうきびを中心に
畜産・葉たばこその他の戦略作物を取り入れていく必要があります。さとうきび
については、高齢化に対応した機械化を推進するとともに、病害虫防除・適期作
付・肥培管理を徹底し単収アップを図ってまいります。黒糖については、国内に
おける需要が8千tであるのに対し、近年は7千t台の供給で推移しており、不
足状況にあります。市場からは安定適量供給の要望がされており、その大半を担
う多良間産黒糖の増産が求められています。農業用水の確保、塩害対策を図りな
がら高品質・単収増により増産に努めていく必要があります。
畜産においては、昨年の子牛取引価格は過去最高を更新する高値取引が続き、
一年間の販売高も過去最高の9億4千万円を超える見込みであります。これも、
生産農家の日頃からの飼養管理、改良等のたゆまぬ取り組みと、JA をはじめとす
る関係機関のご指導の賜と深く感謝申し上げます。全国的な高齢化と後継者不足
による素牛不足、消費の拡大により枝肉相場も維持されていることから、この高
値相場は、当分続くものと予想されています。ただ、各地域とも後継者不足など
から、急激に飼養頭数が減少しており、多良間市場も心配するところであります。
生産農家の皆様には、優良繁殖雌牛自家保留奨励補助金、優良繁殖雌牛導入支援2 事業も活用しながら、系統の良い雌子牛の保留・導入で増頭に励んでほしいとお
願い致します。行政といたしましては、すでに多頭化を実現している生産者がさ
らに増頭する、若年生産者による増頭や若者による新規生産者の実現、女性生産
者による増頭などができる環境整備を進めてまいります。
葉たばこは、二年続きで台風被害や長雨による被害で減産を強いられ、大変厳
しい状況が続きましたが、本年作は天候にも恵まれ順調に進められており、二年
間の挽回を期待するところであります。葉たばこ作は、さとうきびとの輪作体系、
効率的な土地利用と高収益作物であり、離島においては適した作物であります。
9農家で1億円達成を目標としており、支援してまいります。
かぼちゃは、年間40tの出荷量を目標に取り組んでいますが、本年作は天候
にも恵まれ豊作型となっています。本年は目標達成できるものと期待します。今
後とも、栽培技術の向上を図るとともに、消費者への安心・安全を基本とした栽
培、定時・定量・高品質を守り、安定生産及び安定出荷体制の強化支援に努めま
す。
他にも、ノニ栽培、黒豆(ささげ)栽培、唐辛子栽培など取り組んでおります
が、安定・定量出荷ができることで販路拡大ができるものと考えます。行政でで
きることはバックアップしてまいります。
生産農家のたゆまぬ努力、国・県関係機関のご指導のおかげで、平成28年度
農業生産販売高は、史上初の15億円を突破することが、確実となりました。改
めて生産農家をはじめ関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。
ピンダ事業については、これまで成長途中での死亡率が高いことで、農家の飼
育意欲の阻害要因となっていることから、沖縄県家畜保健衛生所とタイアップし、
改善に向けた取り組みをしております。ヤギ増頭に向けては、農家の生産意欲を
高めるために、販売価格の助成等を行っており、今後とも継続していきます。さ
らに「ピンダエコアイランド構想」を提案し、推進していますが取り組みが進ん
でいません。できることをゆっくりで良いという発想のもと推進していきます。
水産業につきましては、中層浮漁礁設置などについて、漁民との話し合いをも
っていますが、方向性が定まっていません。今後、漁獲高を上げていくために何
が必要か、漁民の要望を聞きながら、まずは表層浮魚礁を設置し、漁獲高の実績
作りを進めます。
観光産業については、沖縄県や宮古島の観光客の伸びの波及効果や PR の強化に
よる知名度アップ等により、少しずつではあるが観光客は増えつつあります。し
かし、依然として地元産食の提供、宿泊施設不足、観光ガイド等の人材不足など、
受け入れ体制が脆弱であることに変わりありません。ただ、民間による宿泊施設
の増設があり、やや改善の方向へ進んでいることは明るい材料と言えます。また、
平成27年度から計画してきた、観光関連施設は28年度で基本設計・実施設計3 を経て29年度で事業実施できる運びとなりました。この施設は、本村の今後の
観光(体験や交流)や特産品販売、地元産食の提供など今後の島の拠点施設とし
ての活用が期待されます。
特産品については、これまでのパナパンビン、ピンダ汁パック、牛汁パックな
どのほか、多良間村特産品開発センターの活用で、たらま花ブレンド茶、たらま
紅紬、唐辛子など地道な活動がされています。離島フェアーにおいても品数が増
え盛上がっています。今後とも地域の皆さんと連携した取り組みで、特産品開発
に力を入れていきます。
島外からの人材活用として、地域おこし協力隊の制度を活用しながら、地域に
根差した観光、特産品の開発、過疎化対策など、新しい感覚での活動に期待致し
ます。
二つ目に未来を担う子ども達の育成についてであります。
未来を担う子供たちを育成することは、多良間村の未来、ひいては日本の未来
への投資と言っても過言ではないと思います。次の時代になれば今の子ども達が
社会の中心になり、さらには、その次の子ども達が社会を担っていきます。つま
り、未来永劫、社会は大人から子へ、そしてその次の子へ繋がっていきます。し
かし、繋がっていく段階で、歯車が一か所でも壊れてしまったら、その先の社会
は当然悪い方向へ進み、修正はとても難しくなると思います。だからこそ、現役
世代である私たちが、大人としての責任を持ち、今の子ども達へ、そして孫世代
やその先の子ども達を正しい道へ導く、健全育成が必要であります。失敗を恐れ
ずに、挑戦する勇気を芽生えさせ、目標に向かって仲間といきいきと切磋琢磨し、
大きな達成感や喜び、あるいは、挫折を味わった時でも逞しく歩んでいくことが
できる、強い精神力を育てることが大切です。
そして、子ども達に「感謝の心」と「思いやりの心」を伝えていく必要があり
ます。夢や目標をもち、道徳心を備えた行動を積み重ねることで、自分自信に誇
りが生まれ、情熱をもって行動できるようになります。私たちが目指す将来ビジ
ョンとは「小さな子どもからお年寄りまで、同じ地域に暮らす一員として、お互
いの世代を尊重しあう調和の取れた村」であります。
子どもの貧困が大きな社会問題となっています。単にお金がないということで
はなく、物的なつながりの希薄化、人とのつながりの欠如、教育の機会の喪失な
ど、子どもの生活や成長に様々な影響を及ぼすとされています。また、子ども期
の貧困は成長後も影響を及ぼし、次世代に引き継がれ負の連鎖を引き起こすと言
われております。本村においては、このような事態にならないよう、地域のつな
がりを大事にしながら、対策を講じてまいります。また、生活困窮の結果、子ど
も達の進学の機会が奪われ、将来の社会を担う若者の力が大きく減少しないよう4 に、今後も関係機関との連携を強化しながら学習支援を行い、子どもの貧困の連
鎖を断ち切る施策を進めます。
子育て支援策といたしまして、学校給食費の無料化、各種検定の全額補助、幼
稚園入園料・保育料の無料化、保育所第二子からの無料化、要保護・準要保護児
童生徒就学支援、ALT(英語学習)の実施、村営塾の開設、幼稚園預かり保育の
開設、定住を条件とした返済不要奨学金制度の創設など実施してまいりました。
今後とも継続してまいります。
三つ目に、健康福祉と介護・地域医療についてであります。
超高齢化社会の到来に対応するために、多くの高齢者が地域において活動的に
暮らせるとともに、助けが必要な高齢者に対しては、
「地域包括ケアシステム」の
構築と村づくりの連携により、地域全体で支えることができる体制づくりが必要
となっています。高齢になっても可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活
を営めるよう、介護予防について周知を図るとともに、困ったときに身近な地域
において相談できる体制や医療、介護、予防、生活支援のサービスを一体的に提
供していく「地域包括ケア体制」の充実、介護保険事業の円滑な運営に向けての
地域密着型サービスの拡充などの基盤整備を進めてまいります。
本村は、年齢や障害の有無にかかわらず、すべての村民が住み慣れた地域でい
つまでも安心して元気に暮らすことができるよう、健康でいきいき、相互に支え
合う人の村づくりを推進します。健康づくりの推進をはじめ、地域医療体制の充
実、高齢者福祉の充実、障がい児・者福祉の充実に向けた施策に力を注ぎ、特に
高齢者の皆様が培われてきた豊富な知識や経験を生かし、村民と協働した地域福
祉の実現に向け務めます。
団塊世代の方が75歳以上になる平成37年に向けて、今後ますます高齢者人
口が増加すると予想されますが、高齢者の方ができるだけ自立した生活をしてい
けるよう、支え合いの地域社会づくりを目指します。その実現のため、
「第6期高
齢者福祉計画及び介護保険事業計画」に基づく計画的な事業展開が求められてお
り、今後は、介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な実施を村民視点で実施し
てまいります。
単身や認知症の高齢者が増加傾向にあるとされており、相談体制の充実や地域
の状況に応じた支え合う仕組み作りが求められています。この求めに応えるため
にも、地域包括ケア体制の充実に向けて、介護予防の推進や地域包括支援センタ
ーの機能強化、地域ケア会議の充実、医療と介護の連携推進、認知症施策の推進、
生活支援体制の基盤整備を進めていく必要があります。
ワクチン接種や急患対応、整形外科、産婦人科の巡回診療などすべての医療に
ついて、宮古病院多良間診療所の先生と連携して取り組みます。癌患者・難病患5 者の渡航費用、妊婦健診・出産のための渡航費・宿泊費などの助成は引き続き実
施します。
高齢化が進む中、介護施設導入の要望が高まっています。
ただ、本村は小規模離島であり、財政も厳しい中での新たな介護施設導入は、
運営することの厳しさや、保険料の高騰など大きな問題を抱えています。この問
題をどうクリアするかが、これからの課題であり、他の離島における介護施設の
運営状況も参考にしながら取り組んでまいります。
四つ目に、安全・安心な暮らしについてであります。
安全・安心な暮らしを支える地域の目指す姿は、経済・社会活動の基盤である
安全・安心な地域づくりであります。あわせて地域防災力の向上など、総合的な
防災・減災対策が重要となっています。災害による悲惨な状況を未然に防ぎ、住
民の生命と財産を守ることは、行政に課せられた重要な使命であります。災害に
強い村づくりは、たやすいことではありませんが、優先度の高い施策を着実に実
行していくことが重要であります。常に災害に備え、住民が安心して安全に住み
働くことができる、村づくりを推進してまいります。
また、地域住民が主役となる防災対策を確立することも重要であります。その
ため防災普及啓発とともに、防災教育及び防災訓練を充実することが肝要であり
ます。
ライフラインとなる水道施設についても、非常時も、安定して継続的に村民に
水を供給できるよう浄水場・水道施設の整備は順次進めてまいります。
村民に災害情報を迅速かつ確実に伝達するために、災害や停電に強い防災ラジ
オ型、防災行政 FM 告知放送システムによる情報伝達を行っています。今後とも、
人命の安全の確保のため、情報伝達体制の更なる強化に取り組んでまいります。
現代は、豊かな生活を享受できる社会が実現できた一方で、大量生産・大量消
費・大量ゴミ発生という方式に依存してきました。このような方式を続けていけ
ば、ゴミ・廃棄物はあふれ、人間が生活する環境を破壊することになります。今
後は、ゴミ・廃棄物の発生を抑制し、再使用やリサイクルを行い、ゴミ・廃棄物
を少なくするとともに、資源として循環利用する循環型社会への転換を進めて、
持続可能な社会のシステムをつくり上げ、環境を保全できるようにすることが喫
緊の課題となっています。
そのことからも、地下水保全、農業用水水源確保のため下水道の農業用水再利
用に向けた、農業集落排水事業導入に向けて推進します。
「離島地区情報通信基盤整備推進事業」で沖縄本島から多良間島まで、高速大
容量の海底光ケーブルが整備されました。平成29年度は、陸上部基盤整備工事
を進め、「高速大容量」「高品質」かつ障害に強い通信基盤が構築され、村民向け6 の超高速ブロードバンドサービスなど、離島地区において生じていた、情報格差
の是正が図られます。
五つ目に過疎化(人口減少)対策についてであります
本村は「少子高齢化」が進み、「人口減少地域」として、加速化してきました。
人口減少は地域コミュニティーの崩壊を招くだけでなく、地域の経済全般に負の
インパクトをもたらす深刻な問題であります。私たちは、この危機的状況にいか
に対処すればいいのか、現状を検証し、長期的視点にたった具体的対策をたてる
必要があります。
本村の人口は、戦後の昭和 25年頃の約 3800人をピークに 25年後の昭和 50年
には 2000人を割りました。その後も年々減少し、平成 27年の国勢調査では 1194
人となり、ピーク時の約 3分の1にまで激減しております。全国の人口減少の大
きな要因は、出生率の低下といわれているが、本村の「合計特殊出生率」は、5年
ごとのデータで日本一になるなど、直近の平成 20年~24年では、全国の1.38
と比較して2.07で全国 14位となって、けっして低くありません。本村の人口減
少の要因として、二男以降の男子、ほとんどの女子は職を求め島外へ出るのが当
然でありました。さらに台風や干ばつなどの自然災害による経済的不安や高校進
学による島外への転出もありました。なおかつ、若い女性の多くが島に戻らず、
島に戻った男性も未婚率が高く、生まれる子供の数が減少してきたことなど、い
ろいろな要因が複合しています。
このような状況を改善し、行政が推進すべき方策の主な要点としては次の3点
が挙げられます。一つは、雇用対策として、安定した雇用の確保と起業・就業を
促進し、若者を引きつける魅力ある村づくりであります。就職し、家族を形成し
て子どもを産み育てる環境を構築することであります。二つは、移住・定住対策
として、住み続けられる住宅など定住環境の確保であります。特に、若い女性が
住みたいと思える環境づくりであります。三つは、教育・子育て支援や医療など
安心した生活環境を整えることであります。都市部の人たちが地方を目指す傾向
にあるといわれています。このような人たちを本村に呼び込むことで、自然の流
れとして、UI ターン者も増える確率が高くなると考えます。
人口減少問題は、重大で深刻な問題であり、解決は容易なことではありません。
ただ、はっきりしていることは、少子化に歯止めをかけ、人口減少を食い止め、
次の世代に持続可能な地域を残していくには、村民全体で取り組まなければなら
ないということであります。経済や地域を取り巻く問題の多くは、
「危ない」と直
感的に感じたときには、すでに取り返しのつかない事態に陥っている場合が多い
といわれます。現在のところ、本村を包む空気に危機感や緊迫感は少ないように
見えます。それが心配であります。全国の地方が、危機的状況に向かっているこ7 とは確かであります。それを回避するには、短期的な視点で物事を判断するので
はなく、長期的な視点に立つことが求められています。時間は戻りませんし、過
去の失敗のつけは取り戻せません。私たち村民一人ひとりが真剣に取り組むこと
で、
「人口減少」という難局を乗り越えていけると考えます。その覚悟がいま求め
られています。
六つ目に、財政の健全化についてであります。
これまで、限られた財源と職員の中で、最も効率的かつ効果的な行財政運営を
めざし、行財政改革を推進し積極的な事務事業の見直しや効率化、及び経費節減
に努めてまいりました。
その結果、地方債発行額を元金償還額以下に抑制したことにより、地方債残高
は平成 23年度末の2,142百万から平成 27年度末の1,599百万へと4年
間で543百万円(-25、4%)減らすことができました。
一方、積立金残高は平成 23年度末1,715百万円でありましたが、平成27
年度末残高で2,494百万円となり、4年間で779百万円増加させることが
できました。そのことは実質債務1,322百万円減少したこととなり、多くの
事業を進めながらも、実質借金を1,322百万円減らしたことになります。今
後とも、財政の健全化を図るため「事務事業の見直し」
「選択と集中」により、真
に必要な事業に、限られた行財政資源を振り向け、最小の経費で最大の効果を挙
げるよう進めます。
行政運営に役立てることのできる財政計画の策定について、内閣府の財政ヒヤ
リングにおける「総合評価」に基づいて次のとおり進めます。
「第 4次多良間村総合計画後期基本計画」が平成 28年 6月に策定され、計画的
な財政運営のための具体的取り組みとして、前期基本計画に引き続き次の三つが
掲げられています。
(1)短期的財政運営の計画策定(2)中・長期的財政運営の
計画策定(3)効率的で適正な歳出の検討であります。
財政計画の策定は、将来人口や人口構成等に関する適切な予測に基づくととも
に、計画している施設整備事業を可能な限り織り込むことで、将来の義務的経費
に係る支出や投資的支出等の資金需要を把握することが可能となります。この計
画策定によって把握された将来の資金需要を踏まえ、今後の施設整備に関する意
思決定や、基金への積み立て、行財政改革等に関する意思決定に役立てることが
そもそもの目的であります。
以上の、財政計画策定の目的を踏まえ、適切な人口動態の仮定に基づき、可能
な限り計画されている事業を盛り込んだ上で財政計画を策定するとともに、環境
の変化に応じて適宜適切に見直すことのできる更新体制を整えてまいります。8 七つ目に、予算編成についてであります。
平成29年度においては、歳入面では村税や地方交付税等の一般財源の大幅な
増加を見込むことは困難な状況であるなか、歳出面では社会保障関係経費の自然
増や公債費が今後も高い水準にあることに加え、多額の経費を要する建設事業が
進捗中であり、公債費率の上昇が懸念されます。
これまで、村債残高の低減や実質公債費率等の改善、財政調整基金の確保など
財政健全化に努めてきたところでありますが、災害や緊急時の将来支出を考えた
場合、まだ十分とは言えません。
村民の快適で安全・安心な暮らしの確保、地方創世(人口減対策)の取り組み、
ICT を活用した持続的な発展のための必要な投資、さらには、未来を拓くための
人材育成や地域経済の活性化など、複雑化・多様化する行政需要に対して、継続
して行政サービスを行っていくためには、安定した財政基盤の確保が重要であり
ます。
沖縄振興特別推進交付金事業(一括交付金)については、村の将来を見据えた
重要な事業であるため、全職員の英知を結集し事業を立案することとします。ま
た、事業立案については、積極的に他部署との連携を図り事業効果や効率性を最
大限に高めた事業展開を行います。
平成29年度の主な事業について申し上げます。
迎原地区土地改良事業、多良間第二地区整備事業、村営住宅建設事業、観光関
連施設整備事業、防風林及び圃場境界止壁設置事業、水納島航路船舶建造事業、
超高速ブロードバンド環境促進事業等、新規事業として進めます。
多良間新製糖工場整備事業、ハーベスター及びトラクター他一式導入事業、大
仕出地区農地保全整備事業、マガリ原地区交付金事業、筋阿真南線交付金事業、
県営土地改良事業等引き続き進めます。
本年度の各会計予算編成の内訳は次のとおりであります。
一般会計計2,555,004千円
特別会計計489,032千円
国民健康保険事業特別会計
250,815千円
介護保険事業特別会計
158,478千円
後期高齢者医療特別会計
10,732千円
簡易水道事業特別会計
69,007千円
全会計合計
3,044,036千円9 むすびに・・情熱をもって行動しよう
日本という国の歴史を振り返ってみれば、数えきれない幾多の困難がありまし
た。しかし、いつの時代にも困難を打破する時にはこの国を牽引するリーダーが
いました。そして、リーダー達は、真剣に郷土を愛し、揺るぎない情熱を持って
勇猛果敢に挑戦してきました。いかなる困難に見舞われても決して諦めることな
く挑戦し続けたからこそ、社会を変革することができました。そのような先達の
想いや行動というのは、今私たちに共通するものではないでしょうか。私たちが
心がけなければならない行動力とは、「できるか、できないか」ではなく、「やる
か、やらないか」であります。
今、私たちは一体何をしなければならないのでしょうか。私は、私たちの住み
暮らすこの村の置かれた状況をしっかりと捉え、村民一人ひとりがそれぞれの力
を発揮することだと考えます。この先どのような困難が待ち受けていようとも、
まずは情熱をもって行動することであると考えます。村民一人ひとりが熱い情熱
をもって行動すれば、そこには必ず人が集まり、人の意識さえ変えてしまうこと
ができるのではないでしょうか。
今後も本村を取り巻く状況は、人口減少問題や財政をはじめとして厳しさを増
していきます。しかし、このような時こそ、直面する課題に対応できる効率的・
効果的な事業の執行体制を確立し、質の高い行政サービスに努めなければなりま
せん。そのためには、村民へのサービス精神に満ちた、村民から信頼される行政
運営を進める必要があります。
今後とも、私たちの郷土を大切に守り、良いところを生かし、磨き、村民や村
外の人とのかけ橋となり、人口問題や行政の課題を乗り越え、自信と誇りをもっ
て、村民と行政、議会が手を携えて「ゆかり゜村」を目指して取り組んでまいり
ます。
以上、村政運営の基本方針と私の考え方を申し上げました。
どうぞ、村民の皆様、議員各位のご理解とご協力を賜りますよう、衷心よりお
願い申し上げ、私の施政方針と致します。
平成29年3月10日
多良間村長
(*ゆかり゜=精神的・経済的に豊で幸せな状態の多良間ふつ。)
10
伊良皆
光夫

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