ジモトビラロゴ

平成28年度施政多良間村長方針伊良皆光夫012施政...沖縄県多良間村2016/09/21

ファイルダウンロード

テキスト引用

平成 28年度施政
多良間村長方針
伊良皆光夫
0/ 12
施政方針~輝かしい未来に向けた挑戦~
はじめに・・人と人とのつながり・関わりで地域戦略を
本日、平成28年第1回多良間村定例会の開会に当たり、平成28年度の予
算案をはじめとする諸議案の審議をお願いするに当たり、私の新年度の村政運
営に臨…

…運
営に臨む所信を申し述べさせていただき、議員各位ならびに村民の皆様のご理
解とご協力を賜りたいと存じます。
さて、国の平成28年度予算案は衆議院で可決され参議院へ送付されました。
一般会計の総額は社会保障費の増大により、27年度当初比0.4%増の96兆
7,218億円と4年連続で過去最大を更新。歳入では、大企業の業績改善に
より、税収を25年ぶりの高水準と見込み、新規国債の発行額も昨年同様30
兆円台に抑え、4年連続のマイナスとなっています。歳出では安倍首相が掲げ
る「一億総活躍社会」の実現に向けた子育て支援、介護サービス等の施策や防
衛・外交に重点配分されました。
一方、沖縄県も、沖縄の特性を発揮し、日本と世界を結び、アジア・太平洋
地域の平和と発展に貢献しながら、自然や文化など、よりよき沖縄を高めてい
く。さらに再生おきなわに取り組み、21世紀ビジョンに掲げた、時代を切り
拓き、世界と交流し、ともに支えあう平和で豊かな「美ら島おきなわ」実現に
向け、2016年度一般会計当初予算に「子どもの貧困対策」の推進に27億
7千万円、「アジア経済戦略構想」の実現に227億円など総額で過去最高額
の7,542億円としています。
本村の2015年度事業を振り返ってみますと、ハード事業として、新製糖
工場建設に向けて予算獲得ができ事業がスタート。村民が待ち望んでいたコミ
ュニティー施設の落成により、生涯学習の場、各種イベント、健康づくりの場、
憩いの場として有意義な活用がされています。土地改良事業は年々進行し、県
営カッジョウ地区の実施設計が行われました。UI ターン者のための定住促進
住宅建設も進められ、水道事業の本管取り替え工事により漏水対策が進んでい
ます。省エネと地震・津波等災害時の電源確保のため、水道施設・小・中学校
に太陽光パネル設置工事も進められています。普天間港口が狭いとの指摘で改
善要望により、県事業による浚渫工事が進められています。
ソフト事業においては、フェリー自動車航送負担コスト軽減事業で、自動車
船運賃を半額助成しています。小学6年生、中学2年生のキャリア教育の一環
として、沖縄本島においてジョブシャドーウイング、職場体験学習を実施し、
このことで子供たちの体験・視野が広がることを期待します。外国人講師を招
聘し ALT(英語学習)を実施、子供たちの英語力の向上が期待できます。コミ
ュニティー施設の活用で、伝統芸能公演やコンサートなど文化活動が活発に行
1/ 12
われました。
昨年は、「地方創生」の一年でありました。人口減少をくいとめ、持続可能
な地域を作ることが目指され、各自治体で人口ビジョンや総合戦略策定が行わ
れました。本村においても「人口ビジョン・総合戦略」を策定し、多良間村の
成長につなげるための取り組みを進めるとともに、地域経済の活性化を図り、
元気な地域づくりを推進していくことにしております。ただ、地域が自らの発
想と工夫により課題の解決を図ることが重要といわれており、実行力が問われ
ております。移住・定住に向けて、補助金や住まいを確保することも重要であ
りますが、これからの地域づくり戦略は、人と人との繋がり・関わりが求めら
れております。新たな繋がりを生むための「場」やきっかけをつくる施策が大
切とされ、地域のなかで、あるいは地域の外でしなやかな関係を構築すること
で、地域が開かれ、そこに人が集う。温かいコミュニティー、心地よい関係に
惹かれて、移住・定住するひとが増えます。新しい時代の「創成」に向けて、
行政には発想の転換とともに、繋がり・関わりづくりの戦略が求められていま
す。
新年度を迎えるにあたり、私は、改めてこれまでの村政運営と、今後の村政
の進め方について村民の声を謙虚に受け止め、村民の負託に誠心誠意お応えし
てまいりたいと決意を新たに致しております。村政は、村議会と執行機関との
適切な連携のもと、その役割に応じ運営されるべきものであります。今後とも
活発な議論を重ねながら、すべての村民が願う村民の幸せの実現のため、議員
各位とともに、輝かしい多良間の未来に向けて、村政を推進する所存でありま
す。
世界の動き、日本社会の変化と同じく村政を巡る諸情勢は、刻々と変化して
おり、課題が尽きることはありません。これからの道のりにおきましても、時
代の渦に巻き込まれ、流されないためにも、リーダーシップを発揮し、常にチ
ャレンジ精神をもち、村民の視点を忘れず、既成概念にとらわれない発想と行
動力で、活路を開いてまいりたいと考えております。村民の皆様、議員各位の
ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、平成28年度の主要な施策と事業概要について説明申し上げます。
一つ目に産業の振興についてであります。
地域が元気になるためには、そこに暮らす人々の雇用の場の創出とあわせ、
地域産業の活性化も大変重要な課題です。地域産業の活性化には、地域の関係
団体との連携を深めるとともに、自主的な取り組みに対する支援も重要であり
ます。本村の産業は、引き続き農畜産業を主体とした、観光産業との連携によ
る特産品開発や雇用の場の拡大を図っていかなければなりません。
TPP 交渉大筋合意により、さとうきび作、畜産等農業全般にわたる影響が懸
念されています。さとうきび作については、糖価調整制度は維持されることに
2/ 12
なり、国の交付金制度は維持されることになりました。ただ、安価な加糖調製
品の流入により、糖価調整制度の安定運営に支障が生ずることも懸念されるこ
とから、国内産品の安定供給が図られるための環境整備の検討や、さらなる競
争力の強化が必要とされています。さとうきび作は、離島農業において、なく
てはならない基幹作物であることに変わりはないので、高齢化に対応した機械
化を推進するとともに、病害虫防除・適期作付け・肥培管理を徹底し単収アッ
プを図っていきます。農業用水の確保が大きな課題となっており、国の調査事
業が続いているので、調査状況を見守りながら事業化に向けて推進してまいり
ます。
畜産については、現行の38,5%の関税が段階的に引き下げられ、16年
目以降の最終税率は9%になる見通しであります。長期的には、米国・オース
トラリアからの輸入牛肉と競合する乳用種を中心に国内産牛肉全体の価格の
下落も懸念されます。このため、国内の肉用牛生産について、規模拡大等によ
る生産コストの削減や品質向上など国産の優位性の確保等の体質強化対策に
加え、経営の継続・発展のための環境整備を検討することが必要であります。
高値で推移している子牛価格でありますが、TPP の影響で今の段階で価格が暴
落するとは考えられませんが将来に向けては、情報を収集しながら対策を図っ
てまいります。
葉たばこ、かぼちゃ、ノニ、唐辛子その他の作物についても生産農家とタイ
アップしながら所得の向上に向けた取り組みを行います。
葉たばこは、昨年、予想外の台風襲来で大打撃を受けたことは大変残念な結
果となりました。多大な被害を受けられた葉たばこ農家の皆様には、お見舞い
を申し上げ、金融支援を頂きました沖縄振興開発金融公庫宮古支店様には感謝
申し上げます。そして、農家の皆様には、今期増産に向けた取り組みをお願い
申し上げる次第であります。
かぼちゃは、年間30tの出荷量を目標に取り組んでいますが、長雨等の影
響で小玉となり厳しい状況となっています。今後とも栽培技術の向上を図ると
ともに消費者への安心・安全を基本とした栽培、定時・定量・高品質を守り、
安定生産及び安定出荷体制の強化に努めます。
多良間のノニは高い評価をうけており、農家の生産意欲も高まっております。
原料が需要に追いつかない状況にあり、台風対策等図りながらノニ栽培を推進
します。
新作物として唐辛子生産組合が設立され、20戸の農家が栽培に取り組んで
おり、高齢者でも栽培できる作物として期待できます。
ピンダ事業については、山羊増頭に向けた販売価格の助成等農家支援を行っ
ており、今後とも継続していきます。5月、10月の年2回開催されているピ
ンダアース大会は、村民や島外の人達にも認知度が高まっております。今後と
も多良間ならではのイベントとして定着を図ってまいります。さらに、産業・
健康・教育・観光・文化など山羊の多面的能力が活用できる「ピンダエコアイ
3/ 12
ランド構想」を推進してまいります。
水産業につきましては、中層浮魚礁の設置場所、費用等考慮し、今後、漁民
との調整を図りながら村一括交付金を活用した設置を推進します。
観光産業については、おくなわプロジェクト推進協議会としての取り組みや
イベントの開催、PR の強化による知名度アップ等により、少しずつではある
が観光客は増えつつあります。また、ダイビング業者による多良間の海の素晴
らしさ・魅力が世界に発信されアクセス数も膨大となっており、多良間の PR
に大きな貢献をされております。
多良間の観光にとって現在大きな課題となっているのが(イ)地元産食の提
供(ロ)宿泊施設不足(ハ)観光ガイド等の人材不足等受け入れ体制が足りて
いないことであります。いずれも民間での対応が望ましいところでありますが、
今のところ民間の参入が期待できない以上、行政としての対応が求められてお
ります。食の提供の場、農畜産物・水産物、特産品等の販売、観光関連体験交
流、ふれあいの場、避難施設としての施設整備に向けて、27年度で基本計画
を策定し、28年度から基本設計・実施設計と施設整備を29年度までの期間
で実施に向けて進めております。宿泊施設についても、調査等行っており早い
時期に事業実施できるよう取り組みます。観光ガイド等の育成については、観
光協会ともタイアップしながら進めます。
特産品について、これまでのパナパンビン、ヤギパック等に加え、たらま花
ブレンド茶、たらま紅紬、唐辛子、アーサ塩、しょうが黒糖など開発されてい
ます。今後とも特産品開発に向けて力を入れていきます。
島外からの人材活用のため、地域おこし協力隊の公募により、新しい感覚に
よる観光振興・特産品開発・過疎化対策の強化を図ってまいります。
これらのことを進めていく上では、島の自然、まつり、イベント、人々との
ふれあい、など島の魅力のPR活動を強化し、島ぐるみの受け入れ体制の強化
を図ることが重要であります。
二つ目に希望に満ち溢れた人材育成についてであります。
今の子どもたちは望めば多くのものが手に入るようになりました。しかし、
それに伴い子どもたちの環境も大きく変化してきました。都市化や少子化が進
んだことで、異年齢集団のなかで切磋琢磨する機会の減少や、地域社会の結び
つきが弱くなってきました。一昔前に比べると、子どもたちが自然に体験でき
たことで、今日できなくなってしまった事が増えています。それらの体験は子
どもたちの道徳観や正義感を育む大きな機会となり、その体験を通じて子ども
たちは夢や目標をもつことができました。
それでも多良間の子どもたちは、ひとやモノや自然と触れ合う機会を多くつ
くっております。個人個人の体験も大変素晴らしいことですが、組織的な活動
は、きまりや規律をまもり友達と協力することの大切さや、自ら学び自ら考え
4/ 12
る力などの生きる力や豊かな人間性を育むだけでなく、達成感や成功体験を通
じて子供たちの自信を育むことができます。自信は誇りをもつことに繋がり、
誇りを持った子どもたちは色々なことに情熱をもって行動できるようになり
ます。そして情熱をもった行動の積み重ねは更なる自信と誇りに繋がります。
今後も継続して、子どもたちに「感謝の心」「おもいやり」といった日本人が
古来、大事にしてきた道徳心と夢や目標を持つ大切さを伝えていく必要があり
ます。夢や目標をもち、道徳心を備えた行動を積み重ねることで、自分自身に
誇りが生まれ情熱をもって行動できるようになります。
今、子どもの貧困が社会問題となっております。沖縄県の子どもの貧困率が
29.9%と全国の二倍近い状況であることが衝撃となっております。本村では、
子どもの貧困は顕在化しておりませんが注視しておく必要があります。
子どもたちが希望に満ち溢れた人となり、未来に誇れる人材として羽ばたく
よう取り組んでまいります。
そのための施策として、子どもたちの学力向上のための村営塾の開設、幼稚
園預かり保育の開設、県の地域型就業意識向上支援事業を活用した、小学校6
年生と中学2年生を対象とした、沖縄本島における職場体験学習いわゆるキャ
リア教育の継続実施。外国人講師を招聘した ALT(英語学習)継続実施。幼稚
園入園料・保育料の無料化継続、学校給食費の無料化継続、各種検定の全額補
助継続、要保護・準要保護児童生徒就学支援の継続、新たな施策として定住を
条件とした給付型奨学金制度の検討を行ってまいります。
三つ目に健康福祉と地域医療についてであります。
厚生労働省は、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らし続ける
事ができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される
「地域包括ケアシステム」の構築を推進しています。超高齢化社会の到来に対
応するために、多くの高齢者が地域において活動的に暮らせるとともに、助け
が必要な高齢者に対しては、「地域包括ケアシステム」の構築と村づくりの連
携により、地域全体で支えることができる地域づくりが必要となっています。
このような地域社会を実現するためには、住民のライフスタイル、村の姿と
いう「暮らし方」を大きく変えていくことが必要であります。例えば、日々の
暮らしにおいて、「地域を歩く」という根本的な活動に着目すると、車利用の
増加に伴って、全世代にわたって、村民の歩行量は大きく減少しています。
「地
域を歩く」ことは、生活習慣病対策などの発症予防や、健康増進、疾病発症後
の機能回復効果等だけでなく、高齢者の介護予防や認知症の予防に効果的であ
るとされています。さらに、村民が「地域を歩く」ことによって生まれる様々
な交流の機会は、コミュニティー活動を促進し、地域活力の向上につながり、
地域を歩く村民がさらに増えるという好循環をもたらすことが期待されます。
高齢者の価値観は多様化しており、退職後もなお、活発に活動し第二の人生
を積極的に楽しみたいと考えている中高年層が増えています。定年後の世代が、
5/ 12
長年培ってきた技能や豊富な経験を活かして、地域を支えるコミュニティー活
動に参加することは、地域の活性化につながるだけでなく、健康長寿の延伸を
実現するなどのメリットが大きいといえます。
「地域を歩く」ことや「コミュニティー活動」から生まれる多面的な効果を
踏まえ、多くの村民がより自立的に、また、必要な場合に地域の支援を得て、
より活動的に暮らせる村づくり、「健康・医療・福祉の村づくり」に取り組ん
でまいります。
ワクチン接種や急患対応、整形外科、産婦人科の巡回診療などすべての医療
について、宮古病院多良間診療所の先生と連携して取り組みます。
癌患者・難病患者の渡航費用については、患者の方々の経済的負担を軽減す
るために渡航費の一部を助成し、負担軽減をさらに図るため昨年度からは、助
成額の増額と助成回数を増やしています。
妊婦健診については、宮古島市までの渡航費、宿泊費など助成を引き続き行
います。
バランスの悪い食生活や運動不足、閉じこもりなど不適切な生活習慣が生活
習慣病や要介護のリスクとなり、健康寿命の短縮につながることが明らかにな
っています。「食」「運動」「社会参加」の三つの取り組みで予防医療に心がけ
ます。
本村でも高齢化が進むなか、介護福祉施設整備の要望があります。ただ、施
設整備にはクリアしなければならない多くの課題があります。介護関連サービ
スを運営するうえでのメリットとデメリットが施設現場から上げられており
ます。メリットとして「雇用の場確保による地域経済の貢献」「高齢者福祉の
貢献」などであります。デメリットとして「介護従事者等人材の確保が難しい」
「介護保険料のアップ、介護保険制度の不安」「財源確保が厳しく将来崩壊の
恐れ」などであります。
本村では、平成21年度より高齢者生活センターにおいて、短期入所介護サ
ービスを実施し、5月に3床からスタート、8月から6床。平成25度年から
9床の利用となっています。ところが、利用者は、通所介護利用者が平成21
年度で年間4,390人であったが、年々減少し、平成27年度は2,302人
となっています。短期入所生活介護事業においては、平成21年度は1,589
人の利用が平成25年度にピークの2,735人となり、平成27年度では、1,
551人となり初年度よりも下回っています。利用者が減少した影響で介護保
険収入はピーク時の67,236千円から平成27年度は35,102千円と
52.2%へ落ち込んでいます。そのため、平成28年度では、高齢者生活セン
ターへの助成額が前年度より22,000千円増え、総額31,573千円の
見込みとなっています。
現場の声としては、「要介護3以上の介護認定者しか入所できない現在の法
律で、多良間に何人の方が利用できるのか?高い介護保険料を払ってどれだけ、
家族の介護負担が軽減できるのか?現在の多良間のサービスや介護保険のサ
6/ 12
ービスをもう一度見直して何が一番必要なのかを考えていく必要があると思
います」とし、今ある施設の利用度を高めるのが先決との意見が多数を占めて
います。昨年の、介護福祉施設検討委員会からの答申を踏まえ、専門機関の調
査も進めておりますが、施設整備については、慎重に判断する必要があると考
えます。
四つ目に安全・安心な暮らしについてであります。
安全・安心な暮らしを支える地域のめざす姿は、経済・社会活動の基盤であ
る安全・安心な地域づくりであります。あわせて地域防災力の向上など、総合
的な防災・減災対策及び復旧・復興対策が重要となっています。
また、大災害においては、子どもから高齢者まで、さらには障がいのある人
など、さまざまな方が広域避難所で長期間にわたり避難生活を強いられること
も想定され、災害備品の充実と支援物資の調達についても万全を期してまいり
ます。自然災害は、その発生を防ぐことはできません。発生する災害をいかに
最小限にくい止めるか、いわゆる「減災」が重要であり日頃からの備えが重要
であります。
ライフラインとなる水道施設についても、非常時も、安定して継続的に村民
に水を供給できるよう浄水場・水道施設の整備は順次進めてまいります。造水
コストの割高、有収率の低さなど、水道施設の運用で課題となっています。効
率的な水道施設となるよう、収益性の改善、最適な運転管理の検討を図るため
の、実証事業にも取り組んでまいります。
防災行政無線は、村民に災害情報を迅速かつ確実に伝達するために有効であ
ります。ただ、風水害の際には、屋外拡声器による音声が、豪雨等の周囲の音
の大きさにより十分伝わらないことが想定されます。そこで、防災行政無線施
設整備事業により、災害や停電に強い防災ラジオ型、防災行政FM告知放送シ
ステムを整備致しました。このシステムで村民に確実に情報を伝達できるもの
と思います。今後とも人命の安全の確保のため、情報伝達体制の更なる強化に
取り組んでまいります。
環境問題として、ゴミの不法投棄が以前に比べてよくなりつつあるとはいえ、
まだ後をたちません。「美ぎ島」として誰もが誇れるよう、村民一人ひとりの
意識の向上と行動が求められております。地域の環境を守る上からも、特に生
ゴミは畑に還元するなど、ゴミの減量化と不法投棄のない村を実現するため、
村民全体でつくっていきましょう。昨年は「美き島つくり条例」を制定し、
「日
本で最も美しい村」「県立多良間自然公園」にふさわしい村づくりを推進し、
村内の美化の促進を図る取り組みをしています。あわせて村民の意識の向上を
図ることを目的として、不法投棄監視員の委嘱も行い活動しています。今後は
地域における懇談会を実施するなど、村民への呼びかけと協力要請を行い、意
識の向上に努めてまいります。
7/ 12
し尿処理施設の老朽化に伴い施設の取り替え時期にきています。環境保護、
地下水保全の観点から集落排水事業の導入も視野に入れて、し尿処理施設の整
備、集落排水事業を推進します。
循環型社会の構築に向けた、風力発電・太陽光発電の設置等地域特性を生か
した再生可能エネルギーの導入を促進し、自然エネルギーの自給率を高めます。
また、村民が宮古島で自動車を利用しやすい環境整備のための、フェリーた
らまゆうの自動車航送運賃を一括交付金事業で助成し、利用促進をはかってい
ます。新たに、離島住民の利便性を確保するため、割高な生活コストを軽減し、
離島住民が生活するうえで通常必要とする食品・日用品の輸送経費等を補助し
生活コストの負担軽減を図るための、多良間村食品・日用品輸送費等補助事業
も実施します。
五つ目に過疎化(人口減少)対策についてであります。
本村の人口は、昨年平成27年国政調査においては1.196人となり、平成
22年の国勢調査時より35人減の2.8%の減少率となりました。人口減少の
主な要因としては、進学や就職に伴う若者の転出。所帯をもち子育てなどで若
年家族の転出や、干ばつ・台風といった自然災害に伴い、経済的な理由で就業
の場を求めて労働者人口の転出などであります。
将来推計では、今後とも人口の減少傾向は続き、人口減少対策をとらないで
そのままの状況で推移すると、19年後の2035年には、964人、44年
後の2060年には791人になると予測されます。
また、今後は人口の減少とともに、少子高齢化の一層の進行、世帯数の減少
や世帯規模の縮小なども見込まれます。
人口が減少し少子高齢化が進むことで、働き手が少なくなり労働生産性や活
力の低下につながるほか、若者が減少することで、地域コミュニティーや相互
扶助による社会保障システムの維持に支障が生じる恐れがあります。また、子
どもの数が少なくなり、人間関係や社会性の発達にゆがみが生じる教育上の問
題なども懸念されます。そして、これらの問題は村の財政に直結することであ
り、過度な人口減少が続けば深刻な財政危機に陥る危険性もはらんでいます。
そのことを踏まえ、これまでの動向や今後の見込みを考慮し、人口の増加や
減少抑制のための各種取り組みを推進することの効果を織り込み、「多良間村
人口ビジョン・総合戦略」においては、本計画の目標年度である2060年に
おける人口を1,002人と設定しました。
そのための取り組みとしまして、
(1) 少子化対策として、子どもを産み・育てやすい環境の一層の向上
・子育て世帯を多良間村に呼びこむ
・出生数を増やす
・婚姻率を高める
8/ 12
・子育て世帯の転出を抑制する
(2) 雇用対策として、安定した雇用の確保と起業・就業の促進
・多良間村に住んで働きたいと思う環境づくり
・高校・専門学校・大学などの卒業生を呼び戻す
・村内の雇用対策を進め転出を抑制する
(3) 移住・定住対策として、住み続けられる定住環境の確保
・多良間村への移住やUIターンを促す
・転入者を受け入れられる環境を整える
・住み続けられる環境を整える
(4) 健康長寿化対策として、健康・長寿命化の支援
・健康・長寿の村づくりをピーアールして人を呼びこむ
・多良間村を若者から高齢者まで相互扶助の仕組みが根付く村にする
(5) 魅力づくり対策として、郷土愛の醸成と村の魅力づくり
・多良間村に住んでみたいと思う景観をつくりだす
・PRを工夫し多良間村への関心・注目を高める
・地域の誇れる場所を整備し転出を抑制する
などであります。いずれも易々とできることではなく、かといって特効薬は
ありません。息の長い対策が必要であり、中長期的な取り組みが重要でありま
す。短期的な視点で物事を判断するのではなく、長期的な視点に立って考え、
村民一人ひとりの力を結集することで「人口減少」という難局を乗り越えてい
けると考えます
六つ目に予算編成についてであります
本村の財政状況は、地方交付税など国の財政措置等の影響を大きく受ける財
政体質であることから、健全で柔軟性の高い財政構造への転換に向けた取り組
みを継続して進めなければなりません。これからも、限られた財源と人員のな
かで、最も効率的な行財政運営が行えるよう、コスト意識と経営感覚を持ち、
「最小の経費で最大の効果」を生み出すことを念頭に、職員の更なる意識改革
を図りながら、経費節減に努めてまいります。
沖縄振興特別交付金事業もスタートしてから5年目を迎え、職員自ら主体的
に「10年・20年先のわが村を創る」という気概と信念を改めて肝に銘じ、
計画・立案・事業推進に、職員一丸となって取り組みます。地方創生の総合戦
略初年度であり、人口減少対策などの問題解決は、容易なことではありません
が、予算の有効活用により、次の世代に持続可能な地域を残していくことが私
達の責務であります。
平成28年度の主な事業について申し上げます。
大型プロジェクトである、含みつ糖製糖施設近代化事業を昨年に引き続き実
施します。観光関連施設整備事業、ミッジ公園東屋・トイレ等設置工事、前泊
9/ 12
港上屋整備事業、筋阿真南線(旧空港南)工事を新規に実施。水道施設整備事
業、マガリ原地区農地整備事業、大仕出地区農地保全整備事業は継続実施。ハ
ーベスターの導入。県事業として、カッジョウ地区農地整備事業、普天間港口
浚渫工事、空港における消防車の購入を進めます。ソフト事業として、自動車
航走コスト負担軽減事業、食品・日用品等輸送補助事業、村営学習塾開設、幼
稚園預かり保育事業、方言文化の継承保存のための、方言辞典作成、ALT活
用事業などを進めます。
本年度の各会計予算編成の内訳は次のとおりであります。
一般会計
5,859,870千円
特別会計
500,034千円
国民健康保険事業特別会計
208,719千円
介護保険特別会計
156,451千円
後期高齢者医療特別会計
10,858千円
簡易水道事業特別会計
124,006千円
全会計合計
6,359,904千円
むすびに・・自信と誇りをもって元気な村づくりを
先人達の弛まぬ努力によって、経済的な成長を遂げ、私たちはいまの豊かな
生活を手にすることができました。しかし、人口減少や超高齢化が進行するこ
とにより、地域の魅力喪失や活力低下など、懸念されております。先行きに不
安を抱えた社会情勢の今でこそ、村長・議員各位・村職員が、本村の輝かしい
未来を切り拓くリーダーとして意識改革を進めていく必要があります。
私たちの多良間村は、伝統文化、自然、人の良さ、コンパクトシティーなど、
多くの注目を集める魅力にあふれた誇れる村であります。ただ、行政だけでは
解決することが困難な問題も抱えています。そうした時に互いに不足分を補い、
共に協力して課題解決に向けて取り組むことが大切だと考えております。それ
らの諸問題を解決するためには、一人ひとりの力を結集し、地域の力を高めて
いかなければなりません。私たちは、改めて「たらま」の歴史や文化の魅力に
ついて理解を深め、先人たちへの敬意と深い感謝の念を抱くことで、
「たらま」
を誇りに思う郷土愛を育むことが必要だと考えます。本村の「人口ビジョン・
総合戦略」の将来推計を見据え、時代を担う若者からも暮らしたいと思われる
「住みやすい村」の創造に向けて、確かな歩みを進めなければなりません。
「活
気あるゆかり゜村」それは、希望に満ちた人達がいてできる村であります。地
域があるから私たちがいるのではなく、私たちがいるから地域があり、「たら
ま」を創るのはほかでもない私たち村民自身であることを忘れてはいけません。
大切なのは、住んでいる私たちが自分の地域にいかに誇りをもっているかとい
うことであります。自信や誇りをもっているからこそ、村の魅力に引きつけら
れた人々を温かく受け入れ、一緒になって元気な村をつくっていくことができ
10/ 12
るものと考えます。
今後とも、村を大切に守り、良いところを生かし、磨き、村民や村外の人を
結び、人口や行政の課題を乗り越え、自信と誇りをもって自立できる村づくり
を、村民と行政、議会が手を携えて進めていきたいと考えます。まず私たち行
政職員、議員が率先して行動し、村民と共に活力ある村建設のため邁進してい
きましょう。
以上、村政運営の基本方針と私の考え方を申し上げました。
どうぞ、村民の皆様、議員各位のご理解とご協力を賜りますよう、衷心より
お願い申し上げ、私の施政方針と致します。
平成28年3月8日
多良間村長 伊良皆 光夫
11/ 12

ファイルダウンロード